不妊治療のはじめ時

不妊治療を始めるタイミング

多くのクリニックでは「同じパートナーと自然妊娠をしようと試みて1年経っても妊娠しない時」が不妊治療のはじめ時、だと言われます。そして両者の検査をし、問題があればその解決のための処置・手術をしてもらいます。が、ほとんどの場合、実は特段大きな原因やはっきりした理由が分からないというのが現実だと、私は思っています。実際に私もその一人でした。

女性にとって20代・30代はひとりの人として充実した時期

私はきっと自分の娘が20代後半になったら 「今のうちに採卵(卵を子宮から取り出すこと)凍結(卵を凍らせて保存すること)をするといいよ」 とアドバイスすると思います。

私が結婚したのは36歳の頃。結婚願望が全くなかったわけではないけれど、実際の所今の主人に出会うまで『結婚して子供を育てている自分』をはっきり想像できていなかったように思います。というよりも、当時の自分のキャリアや生活をとても気に入っていた、というのが正しいでしょうか。 とはいえ、28,9歳頃に「出産のタイムリミット」について考えたこともありました。当時誰かが『女性の賞味期限』というような発言をして炎上したのだったと思います。「そうか、子供が欲しかったらそろそろ身を固めなきゃいけないよなー」なんて。「男性はいつでも子供を作れるからいいなー。次の人生は男に生まれたいな」とまで考えていました。

そして最近また改めて思います。なぜ、女性はその時期に縛られなければならないのか。女性にとっても20代30代は人間の幅を広げる・キャリアを積む大切な時期です。「子供を産む」為に集中できないというのは本当に残念なことではないでしょうか。

20代のCランクと、40代のAランク、どっちが妊娠するの?

私のお世話になった先生はいつもおっしゃいます。

「20代のCランク(あまりよくない)の卵と、40代のAランク(非常によい)の卵、どっちが妊娠する確率高いと思う?」

答えは間違いなく20代のCランクの卵です。

残念ながらこれが事実である以上、私は娘や若い女性に早めの採卵をお勧めします。30になって、40になって、自然に子供ができたら、それはそれでよし。でも、その時になってどうしてもほしいので、できないことを避けるためにも、日本の人口を減らさないためにも、私は、個人的には妊活のはじめ時は20代後半だと考えます。

不妊治療の保険適用で想うこと

この4月より不妊治療が保険適用になりましたね。これによって、多くの人が不妊治療を公にしてもいいことであると認識したでしょうし、これを機にクリニックでの検査を以前よりも気軽にしてみようとなったと思うので、本当によかったなと思います。

しかし、一つの不満は、保険適応が43歳未満まで、つまり、42歳までしか恩恵を被れない、という点です。助成金の時もそうでしたが、年齢が上がると助成金をもらえる回数が減る、もしくは対象外になります。これは、妊娠成功率が極めて低いからでしょう。けれど現実キャリアを積んで、「さぁ!」や、一人目も落ち着いて、「さぁ、今から第2子!」と思うのも、最近では40代であったりします。

今の日本が、年齢の縛りなんて作らず、20代のうちに卵をとって凍結しておく。そして、いつでも「今子供を産める」というタイミングで移植する、事が普通の国になってほしいと思います。女性だって、キャリアと家庭を自分のタイミングで得れる権限があれば、安心して就職や自分の趣味に没頭することができるはずです。

今回の保険適用を機に、このような意見交換が普通にできるように、またより多くの情報が悩める方々に届くようになるといいですね。

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